5Gには、大容量・超低遅延・超多数同時接続という、3つの大きな特徴があります。大容量化することによって、ワイヤレス製品の通信速度が大幅に加速するのです。さらに、超低遅延により、通信ネットワークにおけるタイムラグを小さく抑えられ、通信のリアルタイム性が向上します。そのうえで、接続できる端末の数が劇的に多くなるのです。情報通信研究機構の実証試験では、端末約2万台の同時接続を確認できたとのデータもあります。
これらの特徴をどのようにビジネスに活かせるのか、具体例を挙げてみましょう。たとえば自動運転への応用がその一つで、自動運転は高い安全性が必要でリアルタイム通信が求められます。そのほかにも、遠隔制御や遠隔医療などに活用が見込まれている状況です。5Gならタイムラグを気にせず、リアルタイムで遠隔地にあるロボットなどの制御や操作ができます。
また、超多数同時接続をビジネスに応用するなら、倉庫の商品の位置や中身の把握といった用途も考えられるでしょう。さらに、工場内のさまざまな機械を、有線通信ではなく5G通信にするとワイヤレス技術が使えるようになり、有線通信における面倒で込み入った作業が不要になります。
このように、5Gにはいくつもの優れた特徴があるのです。たとえ4Gで対応可能なサービスでも、5Gで構築する方がより優れたサービスになるでしょう。今後、5G回線の通信事業者が企業との連携を強め、積極的に活用化を推進していくことが期待されています。